長野市と中山間地域を結ぶバス路線廃止の発表を受けて、教職員で作る組合が18日、「高校生の通学手段が奪われる」などど抗議の声明を出しました。

「この問題は生徒たちの学ぶ権利のみながらず、中学生の進路を決めるうえでも大きな影響が出る」

県庁で、こう訴えたのは、県高校教職員組合など教職員で作る3つの組合の代表です。

12日に開かれた長野市の交通関係会議。

アルピコ交通・植松誠執行役員:
「やむをえず路線廃止に踏み切るものでございます」


慢性的な運転手不足や利用者の減少から、アルピコ交通が5つの路線を、長電バスが1つの路線を9月いっぱいで廃止すると明らかにしました。

いずれも長野市街地と中山間地域を結ぶ路線です。

また、アルピコ交通は廃止対象を含む5つの路線を4月から減便します。

減便や廃止対象となった路線が通る長野市戸隠地区。

戸隠神社の中社近くでは18日の朝も小学生たちが登校のためにバスに乗り込みました。

小中学生は通学にスクールバスと路線バスの両方を使います。

地元住民:
「小中学生も乗っているので、そこの対応もどうなるか気になります」

地元に住む70代女性:
「自分がどんどん年老いていってできなくなることが増えていく。その時に、えー、せっかくこれからできたらバスを利用しようかなと思っている矢先に、減便とか廃止の話がでてきてちょっとショックですね」

戸隠は海外からの観光客が急増しているだけにこんな指摘も。

地元住民:
「観光客が利用しているイメージもあるので、なくなったら不便になるのではないかというイメージはありますね」

歩行が不自由な高齢者などは医療機関に通うための福祉車両も利用できますが、予約なしでも乗れるのが路線バスの良さです。

高齢の女性:
どういうときにバスを使う?
「医者だね、通院だね」
「困る、本当に困る」

地元住民:
「(高校に)通学している人たちと中学校に乗っていく子どもたちもいるから、ちょっと廃止はあまりうまくないなと思っていると思うよ」

高校と小中学校、私立学校の教員でつくる組合が共同で開いた18日の会見。


廃止対象の路線の沿線にある3つの高校では、あわせて110人ほどがバスを利用していて、大きな影響を受けるとしました。

教職員組合員:
「バスが廃止になったら学校を退学するという生徒もおります」
「代わりの交通方法はなにも決まってないことを知った生徒たちは、今どれほど不安でいることでしょう」

生徒の意見を代読:
「とても困ります。私の住んでいる地域には自家用車以外の交通手段がバスしかないのでかなり不便になります」

4月からの減便で、時間割の変更を予定している高校もあり、組合は今後、バス会社や行政と協議し、通学手段の確保を求める方針です。