迷走する飯山駅前のホテル建設問題です。
事業を請け負う飯山ホテルは、「市の対応により事業が滞った」などとして、市に損害賠償を求める訴訟の準備をしています。
これに対し、江沢市長は27日、「ホテル側の対応は遺憾である」と発言。
いったい何が起きているのでしょうか?
飯山駅前に広がる市の土地。
北陸新幹線の駅開業から9年が経ちましたが、現在も更地の状態が続いています。
駅前のホテル建設を巡り問題となっているのが、補助金を巡る市と事業者、更に市議会とのすれ違いです。
寺島勲(てらしま・いさお)さん:
「設計の費用などかさんでいますので、訴訟の準備を進めていて市のほうに請求する」
建設計画の事業を請け負う、飯山ホテルの支配人・寺島勲さん。
寺島さん:
「北陸新幹線の飯山駅前にはホテルが必要だと、一般市民の皆さんも望んでいた、商工業の人も望んでいたこと。(そのため)ホテル建設に乗り出した」
市は当初、補助金最大5億円を交付し、8階建てのホテルに3億円、併設する健康増進施設に2億円を出すとしていました。
しかし2022年、建設計画の検証を掲げた江沢岸生(えざわきしお)市長が当選。
2023年4月、補助金の交付を「できかねる」として、方針を転換しました。
その後、ホテル側は民事調停を申し出て、ホテルを4階建てに縮小することなどを提案。
市は資材費の高騰などを考慮し、3億円に2割を増した3億6000万円を交付する調停案に合意しました。
しかし、今年9月の市議会ではこの案が否決。
江沢岸生市長は27日、民事調停案が市議会で否決された理由についてこう説明しました。
江沢市長:
「調停条項案合意に至るまでの経緯について、市議会議員への説明不足であったことが主な理由と認識している」
市は再び議会での可決に向けて、飯山ホテルと話を進める予定でしたが、10月、今度はホテル側が調停を取り下げる事態に。
江沢市長:
「一方的に取り下げる飯山ホテルの姿勢は遺憾に感じている」
「ホテルを建設する意思があるのか?」
これに対して、ホテル側は・・・。
寺島さん:
「市が後手後手に回ってしまったのは事実。資材の高騰や機会損失を含め、ホテル建設が我々として逆行になってしまった」
「ホテル建設計画は当然進めていきたい」
ホテル側は市に対し事業が滞ったことで生じた費用の損害賠償を求めながら、双方の着地点を見出したい考えです。
なかなか進まない建設計画に市民は・・・。
市民:
「どうなるんだろうね、できるにしても高層ビルは反対。どうせだったらこんなふうにしていないで花畑にするとかみんなが憩える公園とかに」
市民:
「賛否両論ありますけど、仲良くやって、建物できれば活気づくと思うので望んでいますけど、行政の力で何とかしてほしい」
北陸新幹線飯山駅開業から2025年3月で丸10年。
駅前の更地はどうなるのか。
市は今後、訴状の内容などを確認して対応を進めたいとしています。