長野県などと民間企業が連携した「信州F・パワープロジェクト」の発電事業を担う、ソヤノウッドパワーが業績不振に陥ったことがわかりました。
代わりに綿半ホールディングスなどが設立した新会社が事業を継承することになりました。


業績不振となっているのは、塩尻市にあるソヤノウッドパワーです。

ソヤノウッドパワーは、旧征矢野(そやの)建材や九州電力グループなどの企業4社が株主となり、県や塩尻市が支援する「信州F・パワープロジェクト」で木質バイオマス発電事業を行っていました。


しかし、事業の中核を担っていた旧征矢野建材は、燃料となる木材のチップの不足などから債務超過に陥り、2023年に民事再生へ。

今年4月に綿半ホールディングスが完全子会社化し、債権者への返済を進めていました。


綿半ホールディングスは5日、ソヤノウッドパワーを一時的に子会社化したのち、新会社「綿半ウッドパワー」として発電事業を継承することを発表しました。

綿半ホールディングスは、木材のチップを確保する新しいルートが開拓できつつあるとしていて、「発電所設備を無駄にしないよう事業を継承したい」としています。

また、プロジェクトに23憶円余りの補助金を投入し、木材の調整役を行っていた県は、「発電事業が継続されることは極めて重要。引き続き適切な支援に努める」としています。

塩尻市は、「事業を引き継ぐ会社が見つかって安堵している」としています。

事業移行が速やかに進めば、ソヤノウッドパワーは、2025年6月以降、会社を整理する特別清算手続きに移行する予定です。