「優勝しちゃった」さらに日下選手を強くしたのは「相撲」

もう一つ、地力をつける出逢いが中学時代にありました。それは「相撲」です。

(日下尚選手)
「相撲もやってみないか、レスリングをやってるんだったら相撲もやってみないかということで誘っていただいて」
「はじめは相撲?まわしなんかつけたら恥ずかしいよ、みたいな印象だったんですけど、出てみたらぱっと優勝しちゃってみたいな」
「相撲のほうが楽しい、っていう時期もありましたけど、自分がなんのためにやってるのかっていうことを考えたときに、レスリングのためにってのがあったので」

「このレスリングマットから相手を押し出したら一点もらえたりするんですよ。で、相手を押し出す前に出るっていうので前に出る力というのは相撲からだし」
「やはり足腰の強さというか、土台作りもできたのは相撲でしこ踏んだりとか、相撲をやっていたから今があるという感じですね」


「五輪で金メダルを獲る」ーそのために地道な努力を続けてくることができたのは、自分自身の力を信じていたからでした。
(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手)
「そんなに遠く感じてたわけではなくて、金メダルって言ってますけど本気で目指しているから、自分では自分を信じて、行ける行けるって思って常にやってます」
「行ける行ける、って軽く感じてしまうんですけど、『自分ならやれる』っていう思いは常に持ちながら今でもやってますね」
「やはりここで『金メダルをとるためにやるぞやるぞ、練習するぞ、みんな休んでても練習するぞ、きついけどやるぞ』っていう思いは、常にもってやってます」

新年、原点の屋島神社に誓う「パリ五輪金メダル」
辰年の今年は年男。年越しでふるさと高松に戻り、地元の先輩と訪れたのは高校時代に通った神社でした。
(日下尚選手)
「久しぶりです、懐かしいです」


自分の原点を確かめるために、五輪に行く前に、もう一度この階段を駆け上がりたいと考えていました。
(日下尚選手)
「毎日ここをのぼりながら、五輪に行く。五輪に行く。五輪で金メダル獲るって自分に言い聞かせながらずっとやってきた場所なんで」


誰に強要されるわけでもなく、五輪で金メダルを獲ると自分で決めた時から目標に向かって走り続けている日下選手です。

(日下尚選手)「はーはー、しんどいっす」
パリ五輪出場が内定し、目標には一歩近づきました。ただ、夢をかなえるためにはまだまだ力をつけなければならないと感じています。

(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手身)
「身体能力が自分は高くないとよく言うんですけど、だから人よりもやるしかないっていう感じですね」

(高松北高の先輩 南原健志郎さん)
ー昔と変わりました?
「いや、基本は変わらないですよ。高校の時もこんな感じです」

「身体能力はこういう感じですけど、他の選手にはない一番いいものをもっているので。例えば素直さというか、今こんな感じですけど自分がいなくなっても進んで自分で練習できるタイプなんで、これがずーっと継続できたのが日下選手です」


(日下尚選手)
「高校生の時の気持ちを思い出しながら走ることができるので、また初心に帰るような感じでがんばらないとなという気持ちになります」
「よっしゃラスト一本!、最後行こう!」