少子化が深刻な中山間地域では、学校の統廃合などが進んでいます。こうした中、住民によるユニークな取り組みで、移住者や子どもが増えている地域が真庭市蒜山にあります。
それは地域で生活していくための知識や技術を伝えるという「塾」。地道な活動が実を結び始めています。
■地域のシンボル・小学校の敷地内にあるのは、驚きの・・・

(小学6年 西村直紘くん)
「神様が見守っていると思っています」


運動場にあるのは…なんと神社!杉の大木が子どもたちの成長を見守ってきました。

■その中和(ちゅうか)小学校が直面する問題とは
しかし地域のシンボルでもある学び舎は、今、深刻な問題に直面しています。

(中和地域づくり委員会 大美康雄さん)
「何もしなかったら10名前後の人数に減っていしまうということがすでに推計されていましたので…」


真庭市蒜山にある中和小学校です。60年ほど前この地区に約1700人いた住民は、3分の1の約600人に。かつて100人以上いたという児童も、19人にまで減少しました。


(中和地域づくり委員会 大美康雄さん)
「中和小学校が存続できるような地域でありつづけたい。これが住民の願い、目標です」
■その少子化に歯止めが掛かった!いったい何が?

存続の危機を迎えた小学校…しかしここ数年で少子化に歯止めがかかり始めたというのです。

小学5年生の上田湖子さんです。3年前に東京から転校してきました。

(湖子さんの父親 上田善宗さん)
「東京時代通っていた小学校は600人以上いるような小学校で、ちょうど中和村の全人口がほぼその全校生徒と同じっていう…カルチャーショックですけれども」

今では中和地区での生活を満喫しているといいます。

(中和小学校5年 上田湖子さん)
「人数が少ないので、学校の全員と友達になれたり、家に遊びに行ったりして楽しいです。こっちに最初に来た時にまだ春休み中だったんですけれど、『川に入って遊ぼう!』といわれてビックリしたけれど。。。みんな本当に川に入っているし、冷たかったけれど楽しかったです」
(記者)「そういう遊びをしたことがなかった?」
(湖子さん)「はい」
■移住者が増え始めた中和地区 きっかけは「大人が通う塾」

保育園にも、移住者の子どもが増えているという中和地区。その背景に、住民が一丸となっての取り組みがありました。

「真庭なりわい塾」です。毎年20人ほどの塾生を募り、2年をかけて中和地区の歴史や文化、さらに農業の技術などこの場所での暮らしに必要なあれこれを教えます。塾生が「なりわい」をみつけるサポートをしようというのです。

(塾生)
「こういうの実物で見るの初めて」


■「自分らしい生き方を学ぶ場」真庭なりわい塾
今年最初の講座には、岡山県内外から『自分らしい生き方』を模索する人たちが集まりました。

(倉敷市在住の塾生)
「私、実はですね、3月で定年退職しまして、かっこよく言えば生き方を探している」

(鳥取県在住の塾生)
「私が住んでいるところも少子高齢化が問題になっている過疎地域なので、なんとか地域のプラスになるヒントがあればと参加しました」