■櫻田さんが船の模型を作り続ける「深い理由」とは・・・
そんな櫻田さんが作る模型は、ほどんどが船。理由がありました。

(櫻田博士さん)
「戦後の社会の原点がこの船の中にある。やっぱり船はいろんな物語がありますよ」
そんな櫻田さんがいま作っている船は…


(櫻田博士さん)
「高千穂です。出征兵士が、見送りのご両親や地域の人やご親戚の人に敬礼していますよね。『戦場に出ていく』からですよね。もうこれが『今生の別れ』になるかもしれない」
喜び・怒り・憎しみ…。人の思いを運ぶ船にはそれぞれの「物語」があるといいます。
■船の模型 一つ一つに籠められた「それぞれの物語」
様々な思いを込めた櫻田さんの作品は、瀬戸内市牛窓町の信用金庫にも展示されています。

そのうちの一つ、最新作の「紫雲丸」です。
1955年、香川県の女木島沖で修学旅行生を乗せた「紫雲丸」は第三宇高丸と衝突し、168人が命を落としました。決して忘れてはならない記憶を船を通して伝えます。
(櫻田博士さん)
「船の模型を見ながら振り返ってみてくださいよ、と。何か大切なものを忘れていませんか。一度でいいから考えてみてください」
歴史を知ることで今を見つめるきっかけになればと、櫻田さんは今日も船を作り続けます。