うたさんが向き合う「島の生と死」

うたさんは日々、そんな島のお年寄りたちの「生」と「死」に、向き合っています。

突然、目が見えなくなってしまった95歳のお年寄り。

(小澤さん)「敏さん、ちょっと血圧だけ測らせて」
(敏さん) 「もうなんちゃ楽しみがない」

夫に先立たれ、一人で暮らす妻。

(英子さん)「1年って早いですよね。ついこないだみたいに、夫は病院におったのになぁ思って。何言っても、五十何年連れ添ったら、やっぱし寂しい」

息子に先立たれた、102歳の母親。

(ヤチヨさん)
「私が先に逝ってから、息子がおりゃええのに、息子の方が先に逝ってしまって」
(小澤さん)
「でも急がんでも、晴敏さんは先に逝ったら逝ったで、待っててくれよりますから」
(ヤチヨさん)
「そうじゃろかなぁ」

生と死は、島の日常です。

(小澤さん)
「お互いに『生きている』ということは感じやすいけど、『死に合う、死に合ってもいるっていう」

自宅で88歳の妻と2人暮らしをする男性は、病床で、死を願いすらしていました。

(冨二さん)「もう、はよ死んで楽になりたい」
(小澤さん)「冨二さんね、奥さんの準備ができるまでね...一人になる準備がいるでしょう」

この島で、命を全うすると覚悟を決めたお年寄りたち。懸命に支え寄り添う、看護師、うたさんを追いました。

(第2回に続く)