40代の “ヤメ暴男性” 「1年半も社会にいるのは初めてなんよ」

「社会でともに生きることを伝えたい」と、社員と月2回ほど地域で清掃活動を行っています。かつて就職先もなく、再犯者となったヤメ暴のAさん。自身の変化に驚いています。

(元暴力団員のAさん・40代)
「初めてじゃけえ、一年半。出所して一年半社会におるいうのは。普通の人だったら『何を言よん、この人』って思うけど、初めて一年半社会におるんよ。俺の中ではすごい記録なんよ。そういう場所があれば、誰だってそういうことができるんじゃ」

40代のヤメ暴・Aさんの更生を誰よりも信じているのは、家族です。

(Aさんの子ども)「世界中のみんなより、働いてほしい。見た目が働いてなさそうだから」
(元暴力団員のAさん)「最近仕事をして辛いとか、苦痛を感じない。嬉しいことばっかりですね。女房であったり、女房の両親であったり、子どもたちであったり、裏切れない人がたくさんいるから、もう犯罪は犯さない」

(アザミ 渡邉賢治社長)
「社会の人に一番見てもらいたいのは、どんな犯罪者でもやり直しが必ずきくじゃないですか。罪を犯した人をずっと受け入れて、今の状態で変わらずやっていきたいですね」
信じる人がいれば、未来を変えることができる…。新しい人生を目指して、渡邉さんたちの奮闘は続きます。

【解説】
(坂井亮太キャスター)
暴力団の抗争が続く一方で、新しい道を歩もうとしている多くの人がいるのですね。
(取材をした佐藤大祐記者)
はい。ただ、支援体制はいまだ十分とは言えません。法務省によりますと、仕事がない人は、再犯率が3倍になるといいます。社会が『ヤメ暴』の人々の更生を支えていくことは、犯罪を減らすことにも繋がります。暴力団を辞める人々が増えている今だからこそ、さらなる理解が求められていると取材を通じて感じました。