香川県琴平町の金刀比羅宮に所蔵されている、江戸時代の絵師・伊藤若冲の描いた作品などの修復が行われています。新型コロナで参拝者が減る中、金刀比羅宮は修復費用などをクラウドファンディングで募ることを発表しました。
(古川豪太リポート)「こちらは、江戸時代に円山応挙が描いた『水呑みの虎』です。金刀比羅宮には、このような文化財が3000点以上あります。その文化財を守るため、新たな取り組みが始まります。」

(金刀比羅宮 琴陵泰裕宮司)「文化財の保存修理事業の支援として、クラウドファンディングを募ることといたしました」

クラウドファンディングで文化財の修復費用を募る、金刀比羅宮にとっては初めての試みです。
今回対象となるのは、江戸時代の絵師・伊藤若冲が描いた「百花図」。

普段は奥書院にあり公開されていませんが、4月からの特別公開に向け修復を始めたところ、金刀比羅宮が負担するだけでも400万円以上かかることが明らかになりました。

また、表書院にある邨田丹陵の描いた「富士巻狩図」などでも、傷みが目立っています。

「亀裂が入っています。こういうのを直さなければいけない。これが一番の問題、こちらも傷んでますね」

金刀比羅宮が所蔵ずる文化財はおよそ3000点。新型コロナで参拝者が5割ほどまで落ち込み、拝観料が減少する中、修復や保存のための費用をねん出するのにも限界が近づいています。

香川県の文化財に指定されている「助真の太刀」も含めた3点の修復だけでも、およそ2000万円かかるとみられていて、そのうち1500万円を2月から始めるクラウドファンディングで募ります。

(金刀比羅宮 琴陵泰裕宮司)「皆様の宝でもあるということで、それを守っていくのがこの金刀比羅宮ですので、皆様にご覧いただきたいという思いはあるんですけど、それにともなって修復の必要性も出てくるということなので、ご協力いただきたい」

いずれ「水呑みの虎」なども修復が必要になった場合は、新たなクラウドファンディングを募る計画です。金刀比羅宮に受け継がれてきた貴重な文化財を守るために、多くの助けが求められています。