謎として残り続けた「火星の海」の消失時期

現在の火星は平均気温-60℃という極寒の乾燥環境にあり、地表に液体の水は存在しません。しかしNASAの衛星探査や着陸探査によって、火星表面には多数の流水地形や、水の存在によって形成される鉱物が発見されてきました。
特に北部の低地には全球的に海岸線のような線状地形が確認されており、約38億年前には広大な海が存在したと考えられています。
一方で、海が消失したタイミングは長らく不明なままでした。推定されている海岸線地形の標高差が大きいことなどを理由に、広大な海は存在せず湖沼環境が点在していたとする説もあり、太古火星の水環境については統一的な見解が得られていませんでした。
そこで、高知大学理工学部の長谷川精准教授らの研究グループは、川が海に流れ込む場所にできる「デルタ地形」に着目しました。先行研究ではデルタ地形と扇状地地形が混同されて扱われていたうえ、デルタ地形の正確な年代を解析した研究がなく、広大な海がいつ存在しいつ消滅したのかは明らかにされていませんでした。










