「餌ねだり」だけでは説明できない可能性
今回の研究で特に注目されるのは、オオスズメバチの幼虫が夜間にも「ガリガリ音」を発生させていたという事実です。
スズメバチの働きバチは基本的に夜間には採餌を行いません。そのため、夜間にも幼虫が音を発生させ続けるという発見は、従来考えられてきた「餌ねだり」のシグナルという説明だけでは成立しない可能性を示しています。
では、幼虫はなぜ働きバチが採餌をしない夜間にも音を発生させるのでしょうか。本研究では、その理由として、働きバチが夜間に巣内へ戻った際に幼虫の発する音を感知することで、巣内にいる幼虫の量や状態を把握し、翌日の採餌行動に役立てている可能性を考えています。
つまり、幼虫の「ガリガリ音」は、単に餌をねだるためだけではなく、巣全体の状態を伝える情報として機能しているのかもしれません。
ただし、今回の研究では実際の巣の内部で幼虫と働きバチの行動を同時に観察することはできていません。そのため、夜間に発生する「ガリガリ音」が実際にどのような情報を伝えているのかは、まだ分かっていない段階です。










