「2度も3度も殺すことと同じ」遺族をむしばむ二次被害と未解決の絶望
遺族に向けられる心ない言葉の数々は、ただでさえ傷ついた心をさらに深くえぐります。それに加えて、事件が「未解決」であるという事実そのものが、敏さんたちの心身を限界まで追い詰めていました。
(堤 敏さん)
「町内の人からの苦情、これね、まだまだほかにもあるんです。ここではとてもじゃないけど、言えない内容のものもあります。でも、忘れた頃になんらかの苦情が来るんですよね。それは事件直後だけではない」
「ちょっとひどかったのが、犯人逮捕の前の年、2020年6月、6年ほど前の出来事です。家内が町内会の掲示板に、犯人逮捕の情報提供をお願いするチラシ、これは警察が作ってくれたチラシです。情報提供、報奨金300万って、書かれたチラシです」
「これを町内会の掲示板に貼りに行ったときに、何か所かあるんですけども、そこを通りかかった町内の男性の方、その方が、
『まだそんなことやってんのと。もう、やめたら、何年経った思ってんのよ』、
なんかそんなこと言われたらしいです」
「家内はちょっと怖くなって、そこだけで済まして家に戻ったらしいんですけども、ただその人は家内のあとをついて、家にまでついてきて、家の前で
『そのチラシって、それ税金で作ってるん違うの』
『そんな悪ガキのために税金使うなよ』...
なんか言いたい放題怒鳴って帰ったらしいです」
「まるで私たちが犯罪者のような言われようでしたが、そういうことです。ただ、家内はそのときに、
『それは警察に言ってくださいよ』そう言ってたらしいんですけども、家内にしたら、これは恐怖でしかなかった、そう思います」
「これらのことは、さらに被害者や遺族を傷つけて、2度も3度も、殺すことと同じと、私たちをさらに傷つけ続けました」
「未解決事件とは、何が起きたのかが確定しない状態のことを言います。犯人は誰なのか、どこにいるのか、なぜ殺されたのか、この不確実性っていうものが、遺族の心身を継続的に破壊していくんです」










