動揺する家族にマスコミは「奥さん、写真、写真」

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呆然とする家族のもとに、さらに追い打ちをかけるような出来事が待っていました。外務省からの連絡からわずか1時間後、自宅にマスコミが押し寄せたと言います。

(伊東秀彦さん)
「この日、たまたま父親が外出してしまっておりまして、この第一報を受けた朝の6時半前後の段階では、自宅には私と母親の二人だけでした」

「外務省からの連絡から1時間も経過していなかったと思うんですが、次から次へと自宅にマスコミが押し寄せました。狭い玄関に殺到しまして、マスコミ同士が場所取りで揉めているような状況でした」

「マスコミからは、精神的ショックで呆然としている母親に対して、次から次へと質問がなされていました。また、その過程で『奥さん、写真、写真』と要求される場面がありまして、母親はフラフラと言われるがまま兄の写真を出していました」

「私は、何が何なのかよく分かんなかったので、現実感がないというか、新聞やテレビで出る写真っていうのは、こういう形で入手されているんだなとぼんやりと考えていました」

事態を理解する余裕すらない中、マスコミの執拗な取材にあいながら、伊東さんたち家族はアメリカへと向かいます。

(伊東秀彦さん)
「ご近所の方が助けてくれるなどしまして、なんとかもうその日のうちに渡米しようということになりました。渡米となると、じゃあ下着だのなんだのを一回買い出しに行かなきゃなというところだったんですが、表はもうマスコミが殺到していたので、裏庭から近所のお宅を通してもらい、買い出しに行ったのを覚えています」

「また、パスポートも持っていなかったんですけれども、細かい法律は分からないところですが、行政のほうが取り計らってくれたんだと思うんですが、即日パスポートを県の出張所から発行していただきました」

「自宅から県の出張所でパスポートを受け取って、そのまま成田空港に向かいました。空港内でも、またそのアメリカに向かう飛行機内でも、記者にいろいろ質問されて、ひたすら黙っていたのは覚えています」