『どうした?何があった?死んだらアカン』鳴り響く、危険を知らせる電子音
(児島早苗さん)【画像⑦】
「その後、ベッドに連れて行ってもらい、家族と対面します。今朝まで知っていた、これまで知っていた姿と全く違います。
頭に白い包帯が巻かれ、目は紫色になっていて、頭に1本乳白色の管が繋がっており、そこから脳に血液が流れ続けています。
危険を知らせる電子音、そして、その管が頭からつま先まで繋がっています。
『どうした?何があった?死んだらアカン。生きるんや。そばにおんで大丈夫や』
どんな強い薬より、手術より、家族の呼びかける声、家族の肌の温もりがきっとこの世に命をつなげることができる。
そう信じ、そろっと頬をなで指先に触れ、手を握り足をさすり、抱きしめます。気づきます。
『絶対に失いたくない。この大事な人、助ける何の力も自分にないこと』
やがてその日が来ます。
強い薬のために黄疸が出始め、人工呼吸器の速度がだんだん落ち、危険を知らせる音が頻繁になっています。
『大丈夫やで。大丈夫や。一緒に生きるんや!』
励まし続けているその最中、人工呼吸器がひたっと止まり、心電図が真横一文字になり危険を知らせる電子音が大きな音で鳴り続けます。
どうぞ皆さん、目を開けて上を向いてください」
「(きょうは)遺族の話を聴くと聞いたけど、なんでこんな縁起でもない想像させられなアカン?」
「この2年3年の間に、大事な人を亡くされたご経験がある方は、一層お辛かったと思います。追体験とはいえ辛い思いしていただき、本当に申し訳ありませんでした」










