「虚構のストーリー」の調書が取られていく

一方で、「事件は子どもたちが関わった事故なのではないか」との見方もありました。浄化槽の中から鉄のボルトや歯ブラシなどが出てきて、子どもたちが日頃からマンホールのフタを開けて遊んでいたことが分かったからです。

実際に、後の裁判で別の元園児が「女児を浄化槽に転落させてフタを閉めた」と証言しました。

しかし、警察は記者会見で、職員の内部犯行説を打ち出し、それをマスコミが大々的に報道しました。

(山田悦子さん)
「警察のそういう発表(内部犯行説)に、もう『子どもが関与している』なんていえなくなるわけです。だんだん証拠が、虚構のストーリーの調書が取られていくわけです」

過酷な取り調べで、山田さんは一旦は嘘の自白をしましたが、その後、一貫して無実を主張し不起訴処分となります。

(山田悦子さん)
「(不起訴のあとも)『犯人だ、犯人だ』と行き渡っているのです。すさまじい報道でした。全国津々浦々に私が犯人だと浸透している。『逮捕=犯人』報道をマスコミがやってしまいますから」

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