「キレる17歳」社会から生まれた言葉

筆者(RSK山陽放送の記者)は事件が起きた当時、少年(17)と同じ高校生(2年生)でした。岡山でテレビ中継を見ていて、隣県の広島にバスが停まっていた状況、さらに同じ高校生が起こしたということにショックと恐怖を覚えていたことを今でも鮮明に記憶しています。

当時(2000年)は、少年によるセンセーショナルな犯罪が度々起きていて、バスジャック事件などをきっかけに、世間では「キレる17歳」といった言葉が生まれました。17歳だった筆者もそのような言葉で一括りにされたように感じ、複雑な心境でした。

しかし、今回「少年が抱えていた問題や少年に必要だったもの…」、事件の当事者として語られた山口さんの言葉は、自分の心の中に「スッと」落ち、25年にわたりモヤモヤしていた心の中の霧が晴れてきたと感じています。

「人へ共感することの大切さ―」、改めて私も自身の心にも問いかけています。

 
これまでの記事はー
【第1話】「あいつは裏切った、連帯責任です」そして少年(17)は女性を刺した
【第2話】「あの時、死んどけばよかった」知人は刺されて亡くなった
【第3話】背景にあったのは少年の“いじめと孤立”「誰にも話を聞いてもらえんかった。辛かったと思う」