「私たちの長島の歴史がちょっとでも分かってもらえたら」
こちらは…「追憶の森」【画像⑥】。葉の1つ1つに書かれているのは、1931年、最初に入所した85人の名前や死亡日など。いずれは入所したすべての人のものを記し、存在の証明にという思いもあるといいます。
美しい瀬戸内海もどのような風に見えていたのか…。入所者の視点で、館内をめぐってほしいと関係者は話します。
(長島愛生園歴史館主任学芸員 田村朋久さん【画像⑦】)
「入所者が高齢化していくなかで、言葉とか思いっていうのを直接お聞きいただく機会もこれからどんどん難しくなってくると思います。そういったものをこの展示といったものを使って感じていただけるようになればいいのかなと」
開館を前に、園の自治会長、中尾伸治さんも「でんしょう愛生舘」にやってきました。開館には、ハンセン病の歴史を後世に伝えていきたいという中尾さんの強い思いがあったといいます。
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長【画像⑧】)
「(当時の看護師の服装をしたスタッフを見て)ああ、懐かしい」
「うまいこと表現できたかどうか分からんけど、私たちの歴史というかね、それがこの順番に見てもらって、私たちの長島の歴史がちょっとでも分かってもらえるかなと思ってます」
入所者たちの足跡をたどるとき何を感じるのか。その気持ちと心の風景を後世へ受け継いでほしいと、「でんしょう愛生舘」は静かに語りかけます。










