しし座流星群の母天体は?

──しし座流星群の場合は、どんな彗星がかかわっているのでしょうか。

米田瑞生さん
「しし座流星群の母天体は、周期約33年のテンペル・タットル彗(55P/Tempel–Tuttle)です。

この彗星は太陽に近づくたびに微細なチリ(ダスト)を放出し、地球がその濃いダスト流を通過した年には『流星雨』と呼ばれる大出現が起こります。

歴史的には、1833年、1866年などで夜空を埋め尽くすほどの壮観な流星雨が記録されており、近年では2001年に1時間あたり数千個規模の大出現が観測されました。しかし、33年に一度必ず流星雨になるわけではありません。

テンペル・タットル彗星は公転のたびに軌道がわずかに変化し、彗星が放出したダストの流れと地球の軌道が、毎回ぴったり重なるわけではないためです。彗星回帰の直後でも、大出現にならない年も多くあります」