■「誰かの役に立てる」…靴磨きが劣等感を克服してくれた
(石田 壮大さん)
「今までの学校生活とか部活動とかにおいて、すごい目立った成績を残したとか、すごい頭がよかったとかではなくて、本当に普通の人間だなっていう。劣等感に近いかもしれないですね。」

「唯一靴磨きをずっと続けていたんで、僕からしたらなんでもない趣味だったんですけど、他の方にそれをやってあげたら『え、こんなにきれいになるん』みたいな。誰かに役に立つことで自分の存在感を示すじゃないですけど。」
せっかく見つけた特技で多くの人を喜ばせたい。婚約者の岡本さんも石田さんの変化を感じています。

(石田さんと婚約中の岡本さん)
「機嫌もよくなるし、帰ってきて嬉しそうにご飯の時とか話してくれるので、そういう話が聞けたら私も嬉しいです。今後は店を持たれますか?ふふふ」
■そして多くの人が「靴磨き」に集まるように
25歳の青年が見つけた自分の居場所です。活動を始めて半年。徐々に多くの人が集まるようになりました。
(客)
「靴磨きのインスタを見て。これは仕事の時に履いていく靴です。病院に務めています。これ履くときは、出勤の時だけで病院内では履いていないんですけど、行き帰りだけでもきれいな靴でいきたいなと。」
靴をきれいにしたい理由も様々です。
(客)
「女の子と遊びます。デートですか?いいですね。天気もいいですしね。バレンタインでプレゼントをもらったんでホワイトデーにちょっとご飯行こうかなと。ちょっとでも格好よく思われたいんで。」
■「街角の靴磨き」から見える景色

靴と共に客や石田さんの顔も輝いていきます。
(石田 壮大さん)
「こんな話がこうやって聞けるのも、路上靴磨きしないと聞けなかった話。もう嬉しいの一言に尽きるんですけど。」
自分を変えてくれた靴磨き。最後に石田さんが大切にしている言葉を教えてくれました。
(石田 壮大さん)
「イギリスで言われている靴に関する諺です。
"Good shoes will take you to nice places" (『素敵な靴はあなたを素敵な場所に連れて行ってくれる』)」