昨夜(6日)は中秋の名月(十五夜)でした。
岡山市北区の後楽園でも美しい月を見ることができました。
【画像①】
【画像①】は、左上に輝く月、右にライトアップされた岡山城、下方に沢の池と月見団子、ススキ。
【画像②】【画像③】とともに、カメラマンの青江隆晴さんが撮影したものです。
【画像②】
月を鑑賞しながら、月のなりたちに思いを馳せてみませんか?
月について、天文に詳しい山陽学園大学地域マネジメント学部講師の米田瑞生さんに聞きました。
【画像③】後楽園では昨夜(6日)名月鑑賞会が開かれた
地球の4分の1もある月は「ダントツに大きい衛星」
ー月にはどんな特徴があるのでしょうか。
(米田瑞生さん)
「月は、地球の周りを公転する天体で、このように、惑星の周りを回る天体を一般的に『衛星』と呼びます。太陽系の8個の惑星のうち、衛星を持つのは、地球をはじめ、火星、木星、土星、天王星、海王星です」
「月の直径は3,474kmです。木星の衛星ガニメデは5,260km、土星の衛星タイタンは5,150kmと、月よりも大きな衛星は太陽系に4つあります。これを見ると、月は小さく思えるかもしれません。しかし実際には、際立って大きな衛星だといえます。
たとえば、ガニメデの直径は木星の27分の1にすぎませんが、月は地球の4分の1もあります。惑星に対する比率でみれば、月は『ダントツに大きい衛星』なのです。
なぜ、月はこれほど大きいのでしょうか。その理由は、衛星が生まれたプロセスの違いにあると考えられています。惑星は最初から大きな塊があったのではなく、塵やガスが集まって時間をかけて形成されました。
木星や土星は、そのガス・塵が中心に濃縮して誕生し、残された物質からガニメデやエウロパ、カリスト、イオ、あるいはタイタンなどの大きな衛星が形成されたと考えられます」【画像①】
【画像①】50センチ公開望遠鏡で撮影した木星とガリレオ衛星(2022年10月20日)(国立天文台)
「一方で、これらの惑星には、いびつな形をした小さな衛星も数多くあります。これらはもともと小惑星や微惑星として太陽の周りを公転していた天体が、惑星の重力に捉えられて衛星になったものとみられます。火星の衛星フォボスやダイモスも、おそらくこのタイプでしょう」