その生態は…メスしか確認されておらず「クローンのような生殖」か?

(東洋産業 大野さん)
「カベアナタカラダニは、1mmくらいの真っ赤な小さなダニです。3月末、サクラが咲くころから見かけ始め、梅雨前に最も数が多くなるように感じます」

「梅雨の終わりとともに数をめっきり減らし、夏真っ盛りの8月ころには目にしなくなります。1年の間で言うと、春先に卵からふ化し、梅雨明けには産卵を終えて死んでいくものが多いのでしょう」

「このカベアナタカラダニは、メスしかまだ確認されていないとされていて、クローンのような生殖をおこなっていると考えられます」

【画像③】この小さな赤い生き物、見覚えのある人も多いのでは?

いったい何が「タカラ」なのか?

(東洋産業 大野さん)
「さて、この真っ赤なタカラダニ、不思議な名前だと思いませんか?うろうろどこからかやってきて、潰すと赤い汁が出る」

「白い洗濯物などについたら赤みがかったオレンジ色の体液でせっかく洗濯したのに汚れを付けてしまいます」

ーそんなダニの何が「タカラ」だというのでしょう?

(東洋産業 大野さん)
「それはこのグループの仲間の生態によります」」

「タカラダニの仲間には寄生性のものがいて、例えばセミやカマキリ、クモなどにとりついてその体液を吸います」

「とりつかれた生き物は、タカラダニが取りついたままで生活します。当然人が近づいたら逃げますし、飛んで行ってしまいます」

「その姿が、真っ赤な『タカラ』をもった生き物がいる、ということで名づけられたのかもしれません」