■監督にとっては初作品 なぜ映画を撮ろうと思ったのか



映画は、内藤さんののどかな生活も含めて、日本原演習場に反対する様子を淡々と描いています。監督を務めた黒部俊介さんにとっては初めての作品です。
黒部さんが映画を撮ろうと思ったのには、理由がありました。


(日本原牛と人の大地 黒部俊介監督)
「(日本原のことを)知らなすぎて『何これ』みたいな」
「もともと、映画の黄金期と言われている時代の映画を浴びるように観ていたんですよね。活気のある映画が好きだったので、『こんなのを、自分でも作ってみたいな』と」


東京出身の黒部さん。大学卒業後、映画の専門学校に通うも、一度は映画の道を諦めました。その後は書店に勤務。東日本大震災をきっかけに岡山に移住してきました。
家庭を築き、福祉施設などで働いてきましたが、そんな黒部さんに4年前、転機が訪れました。




(黒部俊介監督)
「(映画を)撮ろうと思ったのは、福祉の仕事をしていて、いろいろあって辞めて、この先どうしようかなと思っていたら、西日本豪雨が起きて」
「仕事を辞めていたので、一生懸命ボランティアという形で1ヶ月くらい(被災地に)行って、ある程度自分たちでボランティアとしてできることを終えたときに、『一度きりの人生だし1回好きなことにトライしてみようかな』と」