■1年と1か月間、密着し続けた映画が完成、舞台挨拶に立つ

1年と1か月間、密着し続けた映画が完成しました。8日、岡山での上映を記念して、黒部さんが舞台挨拶に立ちました。

「拍手の音」


(黒部俊介監督)
「きょうこんなに(お客さんが)たくさん来ると思わなかったので」

「チラシにウシとかが出ていてほのぼのしていて、お子様連れのお客さんもいたので、動物の映画だと思われて来た方がいたとしたら、結構硬いテーマだったので、ちょっとドキドキしていたんですけれども」


この日は内藤さん一家も招かれ、作品への、また自身の思いを語りました。


(日本原牛と人の大地 内藤秀之さん)
「自分たちが射撃・演習場の使用に反対したり、そこにサツマイモを植えたりしているんですけれど、そういうことができているというのも、大きな動きはみんなが作ってくださっているわけです」

「その中で自分たちは発言をして、納得がいかなかったら『納得がいきません』と。やっぱり戦争、軍備をどんどん作るよりも、話し合いでやっていく外交のほうがいいんじゃないかと思っております」

■「知らなかった世界」を 映画で発信し続けたい

黒部さんは、初めて挑んだ映画撮影を経て、「自分の知らなかった世界を発信する喜び」を改めて感じたと話します。


(黒部俊介監督)
「イメージとか先入観で物事を決めちゃいけないと思うんですよね。まずは知らない世界だったらちゃんとそこに飛び込んでみて」

「自分の場合は、ウシの世話とかをしたんですけれど、そうやって自分の体でも感じながら、感じたことを嘘偽りなく、自分も迷ったりしながら、これからも無理せず知らない世界にも変な拒否反応とかを持たずに、そのまま飛び込んで『これをみんなに届けたいな』と思えるものに出ったら、どんどん撮影をしてみたいなと思っています」


日本原演習場と、その周りで営まれている生活をカメラに収め続けた黒部さん。知らない世界を覗き込んでみるその姿勢は、多様な価値観が生まれ続けるいま、私たちにも必要なのかもしれません。


映画は、全国17か所で順次公開されます。