■くまドンは、巨大グマ「OSO18」には有効か?


一方、北海道のクマといえば、多数の牛を襲う巨大グマ「OSO18(おそ・じゅうはち)」がいますが、獲物や場所に執着せず、行動パターンの読めない特殊な個体の対策には向かないといいます。


(岡山理科大学・辻維周教授)
「OSO18に関しては、『くまドン』の出番は無いと思います。あれは自由自在に動き回っているので、そこから追い払っても他の所に行ってしまう。非常に行動範囲が広いやつみたいなので、ある程度行動パターンがつかめる個体の対策として」


人と動物の不幸な関係の解消に向けた実証実験は続けられています。

(スタジオ)
「OSO18」など特殊な個体は「ハンターの仕事の範疇ということ」ですが、辻教授は、捕獲や殺処分でなくとも対策できうる動物は、「境界を明確にして距離をとる」という、動物と人間の共存を目指しているということです。


ただそれには、「大学」だけでなく「行政」や「住民」も一体となっての、細かな現場の観察やメンテナンスが必要ということです。辻教授は10月の後半に再び北海道に入るということで、現地の方を悩ませている被害が減るよう、実験が成功してほしいものです。