コメさんが解剖を承諾したとされるサインは医師の筆跡

(三好真由美さん)
「ここに死亡って書いてあるので、亡くなったのは確か。ここにいたのは確か。それはわかったんですね。こういう外国語で書かれたものがあって。私にはさっぱりわからないんですけど、小さな重さ、グラムみたいなのが書いてあって。もしかしたら解剖録かなって思って」

かつて療養所では患者の遺体の解剖が行われていました。さらに。

「ここに剖検願ってあるんです」

入所者本人が解剖を承諾したとされる「剖検願」。

「一目見て「ニセモノ」だってわかりました」
「署名すべき欄のこの文字と、この字とこの字が同じです。(筆跡ですね)全く同じです」

コメさんが解剖を承諾したとされるサインは、医師のサインと筆跡が同じ。コメさんの直筆ではない、と考えられるのです。

コメさんが命を絶ったのは1月17日。解剖に同意したとされるのは1週間前です。この点も不自然だと、三好さんは主張します。

「日付もとっても不自然だと思ったんですけど、自分の存在を消そうと思っていたんですよね。そのために自死を選んだ。水死しかない、海に飛び込むしかない。そう思って自殺した人間が、解剖願を書くわけがない」

遺体の解剖の記録は、長島愛生園で昭和6年から昭和31年に行われた1834人分が少なくとも残っています。亡くなった全員が解剖された年もあり、適切な同意があったか疑問、と指摘されています。