特集は遺族が向き合うハンセン病です。瀬戸内市の長島愛生園に強制隔離された曾祖母についての記録が、遺族に開示されました。

明らかになったのは入所者の人権が踏みにじられていた事実。かつて、療養所で何が行われていたのでしょうか。

(三好真由美さん)
「これは屈辱的な写真です。何度見ても」

初めて見た、写真でした。

「顔が私の母にそっくりだと思ったんです。で、よくよく見たら上半身裸だし、頭は坊主だし。もう言葉にならなかったですね」

愛媛県松山市に住む、三好真由美さんです。写真の女性は政石コメさん。三好さんの曾祖母にあたります。ハンセン病にかかっていました。

(三好真由美さん)
「長島愛生園で自殺してお骨だけ帰ってきたっていう情報しか私にはなくて、最期を遂げたっていう長島愛生園に何か資料が残っていないかなと思って」

瀬戸内海に浮かぶ、長島。国のハンセン病療養所、長島愛生園です。コメさんは昭和15年の夏、強制隔離されました。当時61歳。

警察官の執拗な入所勧奨の末、家族に差別が及ぶのを恐れ、あきらめて入所したのだといいます。そのわずか半年後。海に身を投げ、自ら命を絶ちました。

(三好真由美さん)
「自分の存在を消すため、家族に迷惑がかからないようにっていうのもあったし、療養所での暮らし、自分の置かれている立場状況、体の状態すべてに絶望して」

コメさんの写真は、去年、長島愛生園から開示されたものです。三好さんは、遺族として、曾祖母の生きた証を探そうと問い合わせを続けてきました。願いがようやく聞き入れられ届いた書類は、約30枚にも及びます。

その内容に、三好さんはショックを受けました。