蒔田投手
「プロになれるごつ頑張っとるけんですね」(プロになれるように頑張っていますからね)

上京して4年経っても八代弁を貫き通す、まさに「肥後もっこす※」

九州学院高校出身、明治大学の蒔田稔(まきた みのる)投手。

高校時代は甲子園と無縁だったものの、明治大学で才能が開花。3年春の東京六大学野球リーグ戦ではベストナインに選出。また、今年は大学日本代表にも選ばれた他、東京6大学野球秋季リーグ戦では、防御率0.68で、最優秀防御率を確実にしています。

RKKが行ったインタビューの一部を(八代弁は標準語に直して)掲載します。

※肥後もっこす…頑固で意地っ張りな熊本の男子の意

大学日本代表で1位のホップ成分

蒔田投手
「ストレートも150キロを連発できるタイプではないので、緩急を使って、内外角に投げ切るコントロールが自分の武器です。ホップ成分※と言われる『球の伸び』は大学日本代表の中でも1番の値が出ていたので、さらに自信になっています。そこに球速もついてきて、緩急を使ったピッチングができるようになったことで、六大学野球でも通用するようになったのかなと思います。“球が速いピッチャー”など一言で表せる特徴があるわけではないですが、試合を作れて、ゲームメイクができるようなピッチングに自信を持っているので、絶対に必要としてくれる球団もあるのかなと思います」

蒔田稔投手(写真提供:明治大学野球部)

※ホップ成分とは、投げた瞬間からホームベースに届くまでに、どれだけ「落ちないか」を示す目安。所謂「伸びのあるストレート」というもので、バックスピンの回転数が多い投手が高い値を出します。ホップ成分の値が良いと、打者が予想した球の軌道より上を通過するので、空振りやフライを取りやすくなります。

やっぱり明治がナンバーワン

大学入学当初から社会人で野球を続けられれば良いと考えていたが、大学2年生の夏に転機が訪れました。

蒔田投手
「投手コーチからプロを目指さないかと言われて、自分の目標が社会人野球からプロに変わって取り組み方が変わりました。具体的には、明治大学はトレーナーに常駐していただいているので、科学的なトレーニングや、地道な、本当に泥臭い練習に取り組んだ記憶があります」

結果として3年春の東京六大学リーグ戦でベストナインに選出され、今年は大学日本代表にも選ばれた蒔田投手。一方で、自身は明治でエースナンバーを背負えなかったことなど、上には上がいると、自分の立ち位置を自覚しています。

蒔田投手
「同じチーム内でも村田賢一投手(4年)は好不調の波が少なく安定した投球ができます。下級生にも自分より球が速いピッチャーがいて、自分も結果を残せなかったら試合に出してもらえないということが普通にあるので、切磋琢磨できるというか、本当に良い環境だと思います。やっぱり明治大学がナンバーワンです」

村田賢一投手(写真提供:明治大学野球部)