コーヒーと人柄に惚れたお客さんが温泉郷に

そんな山本さんの仕事は、平日は、町内の事業者を中心に経営の相談。

そして去年から、土曜・日曜限定のコーヒー店「地熱珈琲」を始めました。

店があるのは「わいた温泉郷」。毎回車で20分ほどかけて通っています。野菜の乾燥小屋だった場所の一部を借りて改装しました。

店の前は、大家さんの好意で自由に使えるスペース。屋根付きなので、どんな天気の日でもお客が一息つける場所です。

そこで淹れるコーヒーの大きな特徴は「地熱」。一般的な焙煎方法を学んだ山本さんは、更に独自のひと手間を加え、オリジナルで豆をばい煎しています。

まずは生豆から、カビや傷みがあるものを丁寧に取り除きます。

次に、蛇口をひねれば出てくる地熱の湯を使って豆を洗い、蒸気での蒸し作業。

最後に機械で煎って「地熱珈琲」の豆が出来がります。

山本さん「わいたの地熱蒸気を使って豆を蒸すという変わったことをすることで、地域資源もPRできるし、コーヒー屋さんとしてもオンリーワンになれるんじゃないかなって」

山本さんの地熱珈琲。さて、その味は…

観光客「クセがないし、飲みやすい」
観光客「コーヒーもいいですけど、(山本さんの)人柄が。人間がいいもん」

コーヒー店には、山本さんお気に入りの焼き菓子や小腹が空いたときにおススメの「地熱たまご」など、地元のグルメも並びます。

さらに…女性が持ってきたのは「わいた温泉郷」の地熱で調理した「山菜おこわ」と「しいたけ肉まん」。

山本さん「今回ここでお店を開くときも、もう私の一番の相談、相談役。困ったときの美代子さんみたいな」

ゆけむり工房 秋吉美代子さん「(山本さんは)娘みたい」

山本さん「私はどうしてもコーヒーだけしかできないので、地熱を使う商品を作ってくれて、私のこのお店のテーマ『地熱をもっと楽しんでもらう』というのも、
秋吉さんの商品があるからこそ、皆さんにも楽しんでもらえるので」

「地熱珈琲」オープンから1年、今では全国各地からお客さんが訪れます。

京都からの観光客「京都から飛行機に乗ってきたよ」

山本さん「本当にありがとうございます」

休みなしで働く山本さん。小国町ライフを謳歌中です。

「人生の宝くじを当てたような気分で。私、収入は半分ぐらい減っているんですけど、でも暮らしの豊かさは多分10倍ぐらいになったかなと」