対策は「調査」から
美術館などの片隅で「調査中」と書かれた箱を見たことはありませんか?

膨大な作品・資料・文献などを管理する美術館などの施設では、館内の害虫の生息状況を調べるトラップを設置することがあります。
日常的に、虫の種類や数を把握して対策につなげるためです。
熊本市現代美術館は月に1度の調査で、トラップの粘着テープに「白いシミ」を確認しました。
東文研に調査を依頼したところ、これがニュウハクシミだと判明したといいます。
12月から防除キットを設置し、現在まで、冬季ということもありニュウハクシミによる被害は確認されていないということです。
熊本市現代美術館 学芸員 冨澤治子さん「ニュウハクシミに限らず、シミは根絶が難しい。美術館で働く者として、それは基本的知識です。今後もニュウハクシミの繁殖力を踏まえて、日常的な対策を行うミュージアムIPM(※)の体制でまとめて管理する虫の1つと考えます」
(※)IPM:「総合的病害虫管理」を意味し、薬剤に頼らず清掃・調査・空調管理といった日常的な環境整備で、害虫被害を予防・対策をすること。
今後は防除用キットを1年ほど設置して様子を見ることにしています。












