車内には泣いている女の子も

3人はガソリンスタンドから持ってきたロープを道路わきの木に結びつけ、浦田さんが、冠水した道路を進んで救助に向かいました。

浦田欣吾さん(68)

畑に落ちないように段差を足裏で確かめながら、約20m先の車へ向かうと、水位は膝の高さから胸の辺りまで上がってきたといいます。

浸水が進む車内には、高齢女性から幼い女の子まで、家族4人が取り残されていました。女の子は泣いていました。

浦田欣吾さん「もう『助けないかん』ってだけですね。ただそれだけ。恐怖心は、その時は無かったです。地形が分かっているから道路に入られた」

道路と畑の境界 足裏で確かめながら慎重に進んだ

これ以上車が流されないように、浦田さんは、開いていた窓枠にロープを結んで固定し、車内から1人ずつ救出。松尾さんが支えながらロープを伝って安全な場所まで誘導しました。

原田さんが車を発見してから4人の救出まで約20分。全員けがはありませんでした。

車はその後どうなったのか。

3人は「屋根がかろうじて見えるくらいまで水没していた」と口をそろえます。

8月11日 現場近くの川の様子 右奥が現場付近