視聴者の方から川に水草が大量に発生しているとの連絡を受け取材してきました。


熊本市中心部から車でおよそ30分。取材班が向かったのは熊本市と嘉島町(かしままち)の間を流れる加勢川(かせがわ)です。そこに広がっていたのは、、、

記者
「辺り一面、芝生のように緑が広がっていますが、実はここ『川』なんです!」


川一面を緑に染める水草。近づいて見てみると、レタスのようなものが…これはいったい…


熊本博物館 山口 瑞貴 学芸員
「ボタンウキクサという植物で、別名はウォーターレタスと呼ばれたりもしていますけど、特定外来生物になっています」


水面を埋めつくしていた水草…それは「ウォーターレタス」と呼ばれる外来の植物でした。
地域の人によりますと今年 2022年8月ごろから増え始めたということですが、一体どこからやってきたのでしょうか。


山口 学芸員
「上流の江津湖からだと思われます」


水面上に葉を広げ、水中に根を垂らしたウォーターレタスが15キロ離れた江津湖からプカプカと流れ着いたといいます。

実際、日当たりがよく、水温が高い江津湖ではウォーターレタスが繁殖するため、定期的に除去作業が行われています。では、川の生態系に影響はないのでしょうか。

山口 学芸員
「水面を覆うように広がっているので、光が届かなくなったことにより、水の中とか水辺の生き物の生態系に何らかの影響がある可能性はあります」


加勢川を管理する国は11月16日から重機による除去作業を始めていますが…

熊本河川国道事務所 緑川下流出張所 永谷 恵一 所長
「今年は特に外来水草の発生が多くて、すでに撤去した分だけでも毎年撤去している量の2倍を超えていまして、非常に大変な作業になっております」


この大量発生の原因として、山口 学芸員は「夏場の気温が高かったことが影響しているのではないか」と分析しています。
この夏(2022年6~8月)九州北部の気温は1946年の統計開始以来、1位タイの高温を記録しています。