松山奈未選手

松山奈未選手(27)の会見でのコメント
 私たち「シダマツ」は8月の世界選手権を最後にペアを解消します。これまで応援してくださった皆様には、突然のことで驚きを与えてしまい、申し訳ありません。
 私自身、パリオリンピックに人生を賭け、これ以上の努力はないと言い切れるほど準備をして臨みましたが、結果は銅メダルでした。この悔しさ、そして、どこか納得している自分もいて、これ以上強くなる自分を想像できず、ペア解消を決意しました。オリンピック後、バドミントンが嫌いになるのではないかという不安から満身創痍の日々が長く続き、そんな私が志田さんの「もっと高みを目指し、世界一になりたい」という目標を阻んでしまうことが怖くなりました。だからこそ、お互いの未来のためにペア解消が最善だと判断しました。
 志田さんとは約10年間パートナーとして、共に世界で戦ってきました。一番の思い出はやはりパリオリンピックです。誰よりも強い思いを胸に、どんな困難も二人で乗り越えて掴んだ舞台でした。楽しい思い出より辛い思い出の方が多かったかもしれませんが、どんな時も、前向きに私を引っ張ってくれました。志田さんと一緒だったからこそオリンピックの舞台に立て、銅メダルを獲得できたと心から感謝しています。「ありがとう」という言葉では足りないほどです。最強で最高のパートナーに出会えた私は本当に幸せ者です。志田さんが切り開く次のステージを心から応援しています。
 私もこれから新たなペアで世界と戦っていきます。近々ご報告できると思いますが、これまでの経験を武器に新しいスタイルの確立を目指します。簡単な道ではありませんが、自分の選んだ道を信じてまっすぐに進んでいきたいと思います。「シダマツ」としては残り3大会となりますが、最後まで温かく見守っていただけると嬉しいです。これからも志田千陽と松山奈末、それぞれへの応援をどうぞよろしくお願いします。