清流・球磨川。今日も水面を輝かせながら穏やかに流れていました。7月4日、熊本県南部を中心に甚大な被害が出た豪雨から5年です。

球磨村「風化させることなく次の世代へ」
球磨村役場ではサイレンの音とともに職員たちが黙とうを捧げ、役場の中に設けられた献花台に遺族や住民たちが花を手向けました。
球磨村 松谷浩一村長「私たちはこの災害の記憶と教訓を風化させることなく次の世代へ語り継ぎ、災害前より魅力ある住みやすい球磨村を再建することをここに誓います」

八代市坂本町「あっという間の5年ですね」
5年前の豪雨では球磨川が氾濫し、各地で土砂崩れなどが相次ぎました。熊本県内の死者・行方不明者は69人にのぼり、7400棟以上の住宅に被害がありました。
八代市坂本町では、今も護岸工事が続いています。

鶴之湯旅館 土山大典さん「なかなか思うように工事が進まず、あっという間の5年ですね」
被災した「鶴之湯旅館」です。一度は営業再開しましたが、かさ上げが必要になり、再び休業しています。

当初は豪雨から5年となる今日、7月4日に再開する予定でしたが、昔ながらの構造を維持しながらの工事は難しく、叶いませんでした。営業再開は11月が目標です。
土山さん「景色はですね、戸を開けると球磨川のいい流れが見えますし、今の季節だと川風が入って、たいへん気持ちがいいです」
土山さん「11月になると球磨川の天然アユが獲れる時期ですので、味わっていただきながら球磨川の景色を眺めていただければ」

「お客さんが待っている」「また笑顔で会えるように」
ここから約3キロ下流にある更地は、かつて「道の駅 坂本」と復興商店街があった場所です。
食処 鮎やな 大塚松美さん「あの辺りに、鮎やな(やな場)をつけていた」
大塚松美さんと前坂通さん、ふたりが働いていた「食処 鮎やな」は、道の駅とともに、2年後にここで復活する予定です。

大塚さん「お客さんが待っている。『また来たい』というのが私たちの支えになっていた」
前坂さん「みんながまた笑顔で会えることを望んでいるんです」