「下着」は言ってはいけないこと?
講師を務める田島完佳(たじま ひろか)さんは、「下着のフィッティングアドバイザー」として15年以上活動しています。
その中で大人の女性から肩こりや頭痛など体調の悩みやコンプレックスの相談を受けることが多く、早めの教育の重要性を感じたといいます。

田島完佳さん「きっかけは、あるお客さんでした。子どものころ、胸の成長が早くてもお母さんに買ってほしいと言えなくて、男の子にからかわれたことで“下着”に対して大きなトラウマがあると、泣きながら相談に来ました」
震える手でブラジャーを付けていたという女性。洋服を着て鏡の前に立った時、「体のラインがこんなに変わるんですね」と話し、笑顔が戻ったといいます。
田島さんは、約2年前に公立学校での『下着の教室』の実施を自治体に相談。しかし、具体的な検討には至りませんでした。
田島さん「日本人にとって『下着』というと何か『言ってはいけないこと』のような扱いになっている。まだまだオープンにできなくて、下着の教育が浸透しにくい状況だと思います」
「それがいま、フェムテック(※)など女性の体や健康に目を向ける社会に変化しつつあります。その流れに乗って、若い子たちに伝えたいと思うようになりました」
(※)フェムテック:女性特有の悩みをテクノロジーで解決しようとする取り組み
学生向けの講座は今回が2回目。そこで、今回の講座を開くにあたり資料の言葉選びを工夫しました。
「ファンデーション」などの表現は、「下着」「ブラジャー」といったキーワードに対する心理的なハードルを下げることが狙いです。

講座は、下着が「肌に一番近い部分で心身を支えるもの」として、「あなたを輝かせてくれる“魔法のアイテム”です」という言葉で締めくくられました。