JR九州は1日平均の乗客が2000人未満の区間を発表しました。

その中で、コロナ禍前から最も減少率が大きかったのが熊本県の三角(みすみ)線です。これから存続していくには地元自治体のアプローチも必要不可欠なようです。

きょう(22日)JR九州の古宮洋二(ふるみや ようじ)社長は定例記者会見で、乗客2000人未満の区間を発表した理由を聞かれると。

JR九州 古宮洋二社長「(1日の乗客)2000人ぐらいで鉄道は全然もうからない。現状をわかっていただいて線区を持続可能なものにするために一緒に考えていきましょうという意味」

今、ローカル線を取り巻く環境は厳しさを増しています。

乗客が減少傾向のJR三角線、宇土駅と三角駅の区間。上下線合わせて1日に30本ほどが運行されています。

沿線の人たちは利用者の減少を感じています。

三角町駅前 土産屋店主「ちょっと離れると車社会なので電車の利用率はかなり低いと思います」

沿線住民「(学生が通学する)時間帯は結構混んでるんですけど、それ以外の昼間とかはもうガラガラですね。この網田駅から乗るのも2人とか3人とか」

しかし、三角エリアに高校がなくこの地域の高校生にとっては三角線は必要不可欠です。

沿線住民「通学には絶対必要ですもんね。三角線はね」

年間およそ3億円の赤字路線。現時点では廃線の話が持ち上がっている訳ではありませんが、地元・宇城市も地域の人の移動手段を確保する重要性を感じています。

宇城市市長政策部 小野田幸一郎さん「三角地区のみならず宇土半島や、天草地域の振興にとっても生命線になる路線ではないかなと」

宇城市はこれまで、日常的な利用者を増やす取り組みはしていませんでしたが、持続可能な路線にするため動き始めようとしています。

小野田 企画課長「駅の利用者へのヒヤリングや市民へのアンケートを予定しています。住民のニーズをしっかり把握をして今後の10年後、20年後の公共交通の存続に向けた取り組みにつなげていきたい」