全国ニュースでも話題となっている数十年に一度だけ咲くという花。その幻の花、熊本でも咲いていました。
その花は熊本県宇城市三角町(みすみまち)で咲いているということで、発見した片岡さん夫妻に案内してもらいました。

「これなんですよ。これ」「これ!」
そこにあったのは8メートルを超える松の木のような巨大な植物。

本来はアロエの葉のような大きな葉で覆われている多肉植物ですが、突如として茎を伸ばし花が咲いたといいます。

「自宅でご飯食べている時に窓から見ていて、だんだん大きくなって行くんですよ。何だろうと思っていて」
熊本博物館の山口瑞貴(やまぐち みずき)学芸員によりますと、これは中央アメリカ原産の多肉植物、リュウゼツランで、数十年に一度だけ大きな茎を伸ばし花を咲かせるのだそうです。
また、「アガベ」という名前で、観葉植物として販売している店もあるということです。

しかし、なぜこの海沿いにリュウゼツランがあるのでしょうか。
「近くのおじさんが煎じて飲めば体に良いからといって、ずいぶん昔に植えられたみたい」
煎じて飲んだ人はいないようですが、リュウゼツランの花はその珍しさから「幸運を呼ぶ」とも言われていて、片岡さんにも吉報が届きました。

「埼玉にいる長男に初めて子どもができたって。この写真を送ったんですよ」
数十年の一度だけ花が咲くリュウゼツラン。1週間ほどで花は枯れ、花を咲かせた株は、一生を終えるということです。