まずは、素材集めです。全校生徒に呼びかけたところ、約20キロの古着が集まりました。デザインも生徒たちが考え、修正を繰り返しながら体操服を完成させました。


高校3年 都築マリ彩さん「体操服が下級生に渡って、自分たちもSDGsに向けて何かやることがあるんじゃないかと意識してもらえることがよかったと思います」



環境省 によると、国内で廃棄される衣服の量は年間で約48万トンに上ります。これは、毎日1300トン=大型トラック130台分の衣服が捨てられている計算です。

衣服の廃棄量を減らそうと、アパレルメーカーも取り組みを進めています。こちらの店舗は、倉庫で眠る在庫やシーズンを過ぎた商品など、これまでは廃棄されていた衣服を集めた「オフプライスストア」です。最大70パーセント引きで販売していて、他のメーカーから買い取った商品もあわせ、様々なブランドを展開しているのが特徴です。


来店客「安かったらうれしいです」「買うときに値段が一番気になるから」「前のデザインと聞かなければ分からないので、いいかな」

新型コロナの影響で売上げが下がり、メーカーが抱える在庫が増える中、この店舗は資金面でも環境面でもメリットがあるといいます。


リンクイット リテール事業部営業 高塚美由紀エリアマネージャー「倉庫に眠っているだけでは、倉庫のお金だったり、維持する人件費だったり、売れていかないというだけで、ゼロではなくて経費がどんどんかさんでいく。こういう場所があることによって、商品を廃棄したりということもなくなります」



ファッ ションモデルのように、さっそうと歩く女性。コンピューターグラフィックで、ひらりと揺れ動くワンピースのすそや、生地の柔らかな動きまでも表現されています。
手がけたのは、福岡市内を中心にパタンナーとして活動する秋吉麻理子さんです。
「これは160センチのモデルなんですけど、これを例えば、もっと小柄なお客様が着た時用に……これくらいで着用していただけます、はい」
パソコン上で3DのCG技術を使い、着心地や服のシルエットを確認することでサンプルの数を大幅に減らすことができます。


フリーパタンナー秋吉麻理子さん「材料費も人件費もどんどん上がっていく中で、デジタルでサンプルを一着作れるのは、コスト面でもメーカーにとっては意味がとてもあるものだと思います」

リサイクルなどによる廃棄量の削減と無駄なサンプルを作らない試み。アパレル業界でも、持続可能な社会に向けた取り組みが広がりを見せています。