新型コロナの水際対策で止まっていた外国人観光客の受け入れについて政府は来月10日から再開することを決めた。受け入れ再開に向けた国の実証事業も始まり、27日タイの観光客が福岡市を訪れた。


福岡空港の到着ロビーに姿を現したのはタイからやって来た観光客4人。外国人観光客の受け入れ再開に向けた観光庁の実証事業として来日した。4人は今月31日まで九州に滞在し、主に福岡と大分を観光地をめぐる。

タイのツアー客「文化や食事、観光地に興味があります」

この日一行が向かったのは福岡市のシンボル“福岡タワー”。入り口で手を消毒をして展望室に向かった。

タイのツアー客「初めて来ました。景色が美しくたくさんアクティビティーがあって楽しいです。みなさんがマスクをして各所にアルコールが設置されているのも安心できました」

新型コロナが流行する前はクルーズ船の観光客で賑わった福岡タワー。昨年度の入場者は流行前の約6割だった。

福岡タワー営業課・坂田真一主任「以前はアジアや特に韓国・中国のお客様が多かったので、また来ていただけることを楽しみにしております」

需要増を見越して福岡県の旅行会社の鼻息も荒い。外国人向けツアーを手がける旅行会社には、タイやシンガポールから40件ほどの問い合わせがあったという。

ドリームインターフェイス・楊欣社長「一歩前進と考えております。長い暗いトンネルからやっと抜け出す気持ちです」

この旅行会社の場合、2019年に10億円以上あった売り上げが翌年に95%減少、その翌年は98%減となりほぼなくなった。この2年間は九州のバスツアーを企画するなどして何とか乗り切ったという。

楊欣社長「解禁にあたってきちんとしたガイドラインを示していただきたい。待ちに待った海外のお客様の受け入れなので安全安心な旅行をしてもらいたい」

観光バスの事業者も期待と不安も抱えている。

家康コーポレーション・海江田司社長「お客さんが帰ってくることは喜ばしいし未来が見えたわけですけど、今後どうやって会社を運営するか期待とともに不安感があります。形は変わっていくだろうが、毎日、国内外のお客様から予約を受けて当社のバスが走る日常が早く帰ってきてほしいです」