◆デマや偏見まで拾ってくるAI


神戸:有象無象のSNSの中の嘘とかデマとかも拾ってくるだけに…。
國枝:そうです、偏見も拾ってくるしね。AIの性質ですよね。
神戸:すごくダークなものを生み出す可能性がありますね。
國枝:ありますね。そういうのに答えないように仕組みを変えているみたいですけどね。例えば「ガーシーは逮捕されるべきだと思いますか」と試しに聞いてみたんですけど、「そういう意見には、私は答えられません」と言っていましたね。
神戸:すっかり僕らの生きている世界が、変わってくる可能性がある気がしています。
國枝:そう思います、私も。

インターネットの登場は、世の中をガラリと変えました。AIは、同じぐらいのインパクトを持って社会を変えるんじゃないかと言っている人がいます。私も、スマホが出たのと同じぐらい変わる可能性があると思います。

例えば、「Yahoo!知恵袋」でいろいろ調べたりしますよね。答えた人のレベルもいろいろあるから、そこまで信用しない方がいいかな、という時もあるじゃないですか。同じように、AIに質問すれば答えてくれるでしょう。それも即座に。待つ必要もないです。だけど、SNSも含めて情報を漁ってきますから、その中にはデマも入ってくる。偏見、人を憎む心も広がる可能性がある。
怖くなってきたので、Chat GPTに「Chat GPTは、偏見やフェイクニュースを助長する可能性がありますか?」と聞いてみました。すると出てきた答えは…

Chat GRT:はい、Chat GPTが偏見やフェイクニュースを助長する可能性はあります。Chat GPTは、大量のテキストデータを学習することによって人間の言語処理を模倣していますが、その学習データに偏りやバイアスが含まれている場合、それがChat GPTの出力に反映されることがあります。


◆活用できるAI


倫理感、道徳、マナーみたいなものも、変わってくる可能性があります。ただ、國枝さんも「AIは単なるツール。よい目的にも使えるはずだ」と話しています。

國枝:AIを、悪魔化したくはない。例えば、医者がレントゲンの写真を診断する時、AIは機械だから疲れない。もう疲れちゃったとか面倒くさいとか、感情のばらつきもないので、彼らが下読みすることで、お医者さんの見落としも減るじゃないですか。実際、私のお医者さんの友人も「〇〇の副作用について詳しく教えて」とか、チャットボットに聞いて、さらに「この副作用に人種の差はあるの」とか、どんどん対話型で詰めていって。確認しなきゃいけないけど、「ある程度チャットボットはいい答えをする」という風にすごく評価して。AIは、どんどん役に立つ方向で使えばいいとは思うんですよ。

AIにはこんな使い方もあり、実際に評価している人もいます。お医者さんの世界、これならすごく変わりますよね。わからなければお医者さんも聞けばいいし、事前に聞いておいてもいい。やり取りをしながら「見落としがなくなる」とか、疲れないので「あっという間に終わる」とか。そういうことが現実化している、ということなんだそうです。

ただ、創作物に関しては要注意、と今回お話を聞いてみて感じました。