◆「大人が守りたいのは自分」と生徒に感じさせた学校
取材に対し、生徒が通っていた中学校は「取材は受けられない。何も答えられません」と話しました。一方、教育委員会に対しては、後日「『校則違反をしているので卒業式に出てはいけない』とは言っていない。子供と保護者が相談した結果、卒業式に出ないという結論に達した」と報告してきた、ということです。

男子生徒「汚いな、と思いました。大人達が守りたいのは、子供じゃなくて、自分の立場を守りたんいんだなと」
父親「今まさに(校則が)変わろうとしているんだから、堂々と胸を張って市(学校)の方も教育委員会に言ってほしかったなと思いますね」
◆そもそも「やってはいけない」規制まで校則に入っている

12年ぶりに改定された文部科学省の生徒指導提要では、校則の見直しに向け「児童生徒の参画」を促しています。福岡市の中学校では2022年度から、生徒や保護者、教員らが参加する校則検討委員会を実施。具体的な校則の見直しが進められてきました。その結果、福岡市教育委員会は、「男女別の制服規定」「ツーブロック禁止」「ポニーテール禁止」など5つの項目について、今年度中に市内の全中学校で見直しの手続きが完了すると発表しました。一方で、眉毛や靴下などに関する規定は、「ブラック校則」と位置づけず、各学校の判断に委ねるとしています。
校則の問題に詳しい弁護士は、見直された5項目はそもそもあってはならない校則で、「ブラック校則」の見直しは始まったばかりだと指摘します。
後藤富和弁護士「そもそも生徒にも人権、自由がある。制限するには合理的な理由が必要なんだ。そこから出発しないといけない。今まで合理的な理由がないまま、ツーブロックやポニーテールを禁止してきたことに対する反省の弁もないまま、『決まりは守りましょう』とまだ言い続けている。これはとてもおかしなことだと思います」







