上野動物園で生まれ育ったジャイアントパンダの「シャンシャン」が21日、中国へ出発し、多くの人が別れを惜しみました。実は福岡でも、今から43年前にパンダが中国から来て、期間限定で一般公開されました。福岡にパンダが来たいきさつや、当時の人気ぶりを振り返ります。
◆上野「シャンシャン」と涙の別れ
午前7時すぎに、上野動物園をトラックで出発した「シャンシャン」。沿道には別れを惜しむ人たちが集まりました。
「シャンシャーン!」「悲しくて駄目でした。涙が止まらなくて」「ありがとうっていう気持ちはもちろんですが、絶対にまた会おうねって」
シャンシャンを見られる最後のチャンスとなった日曜日。1組あたりの観覧時間はわずか1分でした。お別れに涙する人の姿も。
観覧できた人「バイバイって言うつもりはなかったんですけど、つい言っちゃいました」「今までにないぐらい最高のポジションで食べてて、心の中で頑張って行ってらっしゃいっていう気持ちを全力で伝えてきました」
中国に到着したシャンシャンは、四川省のジャイアントパンダ保護研究センターで新たな生活を送ることになります。
◆実は「福岡のパンダ」がいた!

RKB本田奈也花「こちら福岡市動物園では、今はシマウマ舎のあるところに43年前、パンダが一般公開されていたんです。こちらには記念碑が立っています」
大型動物を飼育・展示する北側のエリアの一角。ひっそりと建つ記念碑の存在に、気付く人はあまり多くありません。

来場者「福岡市動物園にパンダがいたんですか? 知らないです」「(子供は)今まで見たことがないので見せてあげたい」
今から43年前の1980年春、福岡市動物園にやってきたのは、2頭のジャイアントパンダ、メスの「パオリン」とオスの「シャンシャン」です(注:今回帰国したシャンシャンとは別のパンダ)。

日中の国交正常化から9年。中国が外国の資本を取り入れて経済を成長させる「改革開放」へ舵を切る中、福岡市は南部の大都市、広州と友好都市になりました。その締結から1周年を記念した親善大使として、広州の動物園で飼育されていた2頭が、期間限定で派遣されたのです。







