北九州市長選挙をめぐり現職の北橋市長は、事実とは異なる内容をツイッターに投稿していたことを認めました。インターネット上での選挙活動が活発になる中、専門家は誤った情報が拡散される危険性もあると指摘しています。

◆事実と異なる投稿

北橋健治市長「相手方陣営からボロクソ言われて、僕は黙っていたわけではないんだけれども、『16年の空白』はないだろうと思います。市民一丸となって前に進んでいく、その先頭に立って頑張るのが津森洋介さんです! 勝たせましょう、どんなことがあっても!」

北九州市長選挙の最終日、後継候補である津森洋介氏の応援で熱弁をふるった現職の北橋健治市長。夜、津森氏のライバル候補だった武内和久氏についてツイッターにこう投稿しました。

「武内氏が自民党に推薦願を提出したものの、それが叶わなかったとのことで、その頃から武内氏による北橋市政への批判が激しさを増す一方となり、ただ困惑するばかりでした」

このツイートは、北橋市長が翌5日朝に削除しました。

◆「武内氏が推薦願を提出」自民党は否定

武内氏の陣営は「この内容は事実無根で公職選挙法違反の疑いがある」として警察に相談しています。自民党福岡県連は――。

自民党福岡県連 松尾統章幹事長「武内さんの方からそうした推薦願いの話は一切出てきていませんでしたので、相談もないというのが実際のところ」

そして9日朝、選挙後初めて登庁した北橋市長は、この件について記者の質問に答えました。

北橋健治北九州市長「(武内氏が)多くの自民党議員に選挙の支援のお願いをずっとされていた、と。それは実質的に、推薦願を出しているように感じている人も少なくありませんでした。推薦願は提出されていないことを改めて知りまして、その点は自分の表現の仕方が適切ではなかったと、遺憾に思っています」

北橋市長は、投稿が誤りだったことを認めました。専門家は――。

専修大学 山田健太教授「市長が発信した場合には、より真実性を帯びた発信として取られがちになります。政治家は、発信については慎重に行うべきであって、誤った情報だった場合、取り返しの付かない結果を生むことになりかねません」

◆候補者の津森氏もインスタのライブ配信で

その北橋市長が支援した津森氏の陣営は、RKBと毎日新聞が主催した討論会を欠席する理由について、当初はこう話していました。

大家敏志選対本部長「それは、日程が合わなかった」

しかし選挙選終盤になって、津森氏本人が突然インスタグラムのライブ配信で説明を一転させます。

津森洋介氏「北九州の市長なんだから、北九州という場で、公開の場で、『単独1社ではなくて、みんなでやりませんか』という話をさせていただいたんです。だけど『やっぱり技術的に難しい』という話を言われて。それでピンポイントで『この日でお願いします』と急きょ言われたんです」