見えない日中関係の着地点
中国側のビザ手数料引き上げを報じるウェブニュースを見てみると、読んだ人の書き込みが目立ち、少し気になります。その多くは「これでますます中国へ行かなくて済む」「行かない方が安全だ」「行き来しないのが、日中お互いに幸せ」といった声です。一方、中国側のネット民も「中国外務省、よくやった」と称賛する声があふれています。
今の日本は、中国に対して“アンチ”な立場や意見が多いようですが、それだけでいいのでしょうか。私はむしろ、中国人には「どんどん日本へ来てください。自分の目で日本を見てください。お国で教わったこととは違うでしょ」と言いたいですし、一方の日本人には「中国へ行って、自分の目で中国を見てください。中国へ行く前のイメージと同じですか?違いますか?」と問いたいです。まずは一人ひとりが自分で確かめないといけません。だからこそ、メンツとメンツが絡み合うように日中両国が決めた、入国ビザ申請手数料大幅引き上げの“応酬”には大いに疑問があります。
片方のトップである日本の高市総理は、中国への毅然とした外交姿勢が評価されていると言います。JNNの最新9月の世論調査によると、高市内閣を「支持できる」という人は62.5%。先月8月の調査より3.3ポイント上昇しました。その高市総理は長期政権を目指して今週、内閣改造、自民党幹部人事を断行すると言います。一方の習近平主席も盤石な指導体制を築き上げています。
この二人がトップにいる間は、日中関係の着地点は見えてこないのでしょうか。私はこれまで「山あり、谷あり」の日中関係を見てきましたが、今ほど展望がきかない状態は経験したことがありません。さらには今が「どん底」ではなく、今後さらに「どん底のどん底」があるのか。今回紹介したビザ手数料の値上げは、そんな心配を増幅させる要因に思えてなりません。
◎飯田和郎(いいだ・かずお)

1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。2025年4月から福岡女子大学副理事長を務める。







