中国側が主張する「相互主義」の裏側

中国側は、このビザ手数料の引き上げをどのように説明しているのでしょうか。料金改定が発表された11日の午後、中国外務省のスポークスマンは定例会見で、日本の報道機関の質問に対し、次のように説明しました。

「日本にある中国大使館がすでに発表しています。今回の調整は、対等の原則に基づく措置です」

このごく短いコメントがすべてです。大幅な値上げは「対等の原則に基づく措置」、すなわち相互主義によるものだと言っています。相互主義とは何か。日本政府は今年7月、訪日する外国人向けのビザ手数料を5倍に引き上げました。今回の中国側の措置は、「日本側の決定に対抗して」というわけです。

「日本が引き上げたから、こちらも上げた」ということですが、日本政府が取った値上げは、国籍に関係ない一律の措置であり、中国に限った措置ではありませんでした。一方の中国側は、国ごとに分けて中国入国ビザの申請手数料を定めています。中国側からすれば今回、「日中2国間の枠組みで」、また「日本だけを対象に」という相互主義を適用したわけです。

日本政府が7月から施行した、日本入国のための1次ビザの手数料は1万5000円。一気に5倍の引き上げでしたが、中国政府が14日から日本人だけに適用する中国入国の1次ビザは1万6750円。ほぼ同額です。額の上でも相互主義と言えるかもしれませんし、厳密に言えば、中国入国の方が1750円高くなっています。