「側近中の側近」蔡奇氏が担う特異な任務

蔡奇氏は現在、中国共産党の「中央弁公庁主任」を務めています。日本の企業や官庁の「主任」とは違い、中国における主任は組織のトップを意味します。中央弁公庁主任は、共産党総書記(習近平氏)の第一秘書の役割であり、日本の役職に当てはめるなら内閣官房長官や首席補佐官のようなポジションです。また、身辺警護の責任者でもあります。習主席に「寄り添う」「寄り従う」という重要な役割を担っているのです。

現在70歳の蔡奇氏は、習主席が福建省や浙江省など地方で勤務していた当時から仕えてきた関係です。習氏が最高指導者の地位に就いたのち、蔡奇氏も中央に引き上げられました。今の最高指導部には習氏の地方勤務時代の部下が目立ちますが、その中でも蔡奇氏は特別な存在と言えます。

首都・北京市のトップを務めていた時期は新型コロナウイルスの蔓延と重なり、徹底した「ゼロコロナ」政策で市民の大きな反発を招き「失策」との評価もありました。一方で、2022年冬の北京オリンピック・パラリンピックを総責任者として取り仕切った実績を積み、同年10月の共産党大会で最高指導部(チャイナ・セブン)に昇格しました。