被爆ピアノを託された調律師

広島出身で自身も被爆2世の矢川光則さん。

「被爆ピアノ」との出会いは27年前にさかのぼります。

矢川ピアノ工房 矢川光則さん
「広島の調律師として役に立ててほしいと。被爆者からの願いがありまして」

爆心地から3キロ以内で被爆しながら奇跡的に残ったピアノは全国に12台。

矢川さんには現在、7台が託されています。

演奏するアメリカ出身のピアニストの思い

アメリカ出身のピアニスト、ジェイコブ・コーラーさん。

映画音楽やアニメ曲を独自にアレンジするなど日本で注目を集めています。

4年前、矢川さんから誘われ「被爆ピアノ」を演奏するようになりました。

しかし、初舞台に上がる直前まで「ある悩み」があったといいます。

ピアニスト ジェイコブ・コーラーさん
「すごく緊張した。いつもはそんなに緊張しないんですけど、原爆ドームの前にアメリカ人の私がピアノを弾いたら皆さんどう思われるか少し悩んでいたので」「(矢川さんに言われたのは)考えすぎているのではと。心を込めて平和の気持ちで演奏すれば心配することないからと。それを聞いて安心して」

今年、被爆ピアノのコンサートはおよそ300回。

去年の2倍近くに増えています。

この日は、およそ1400人がホールに足を運びました。