1審判決の量刑判断~講師と生徒の非対等な関係性~
懲役6年判決を言い渡した福岡地裁小倉支部は、以下の事情を重視して量刑を判断した。
犯行態様の悪質性
塩谷被告は講師と生徒という非対等な関係を背景として、各被害者が性的関係を持つことの意味合いや影響をいまだ熟慮できない成長段階にあることに乗じた犯行に及んだ。
塩谷被告は積極的に甘言を弄して性的な話題を繰り返し提供するなどして会う約束を取り付け、ホテルに誘うなどして一連の犯行に及んでおり、強い非難に値する。
被害結果の重大性
各被害者は、事件当時から塩谷被告に嫌悪感を有していたわけではないにしても、本来であれば明らかに不本意であるはずの性的関係を持たされた。
被害結果は重大であり、各被害者の保護者が塩谷被告の厳罰を望んでいることも当然である。
動機・経緯に酌むべき事情の欠如
塩谷被告は自身の性的欲望を満たすために一連の犯行に及んだ側面が強く、動機や経緯に酌むべき点はない。
1審は、前科がないこと、事実を全て認めていること、父が監督を誓約していること、各被害者の保護者に被害弁償の申出をしたことなどの事情を十分に考慮したとしても、刑事責任は重いとして懲役6年が相当と判断した。







