「約400億円」

この数字は全国の国立大学病院における今年度の赤字の見込み額で、昨年度のおよそ1.4倍になると予想されています。赤字の問題はいま公立病院だけでなく、民間の病院にも広がっています。危機に直面する医療の現場を取材しました。

岐路に立つ唯一の町立病院

のどかな風景が広がる人口およそ7000人の福岡県小竹町。町に1つしかない町立病院がいま岐路に立っています。

内科やリハビリテーション科など4つの科を持ち、救急対応も行う「小竹町立病院」。

病床数は56で町内で唯一、入院機能がありますが20年近くにわたって赤字に。累積の赤字は2023年度末で5億5000万円以上に達しました。

小竹町・井上頼子町長
「赤字ではランニングできないので国から1億3000万円、町から1億円で運営しています。20年前くらいから赤字状態が積み重なって今に至っています」