29日、サイバー攻撃により発生したアサヒグループホールディングスのシステム障害でビールなどの出荷がストップしています。

いまだ復旧のめどは立っておらず、酒店からは在庫の確保を不安視する声が上がっています。

ビールなどの受注・出荷を停止生産ストップの工場も

ビール大手のアサヒグループホールディングスは29日、サイバー攻撃を受けシステム障害が発生したと発表。

これまでに個人情報や顧客データなどの外部への流出は確認されていないとしていますが、システム障害は続いていて復旧のめどは立っていません。

このため、29日からビールや飲料、食品の受注・出荷業務を停止しています。

また、出荷ができないため、国内にある約30のビール工場などの多くで生産も停止しているということです。

アサヒは原因の調査や復旧を急ぐため、1日に予定していたビール発表会を中止しました。

福岡市の老舗酒店は入荷を不安視

溝口酒店 木付雅之 店長
「生ビールって”樽ビール”をサーバーにつなげて出てくるんですよ」

福岡市西区の創業95年を迎える酒店です。

毎日、飲食店など約20店舗に樽ビールや瓶ビールを配達しています。

今回の出荷停止を受けて、その影響を聞きました。

溝口酒店 木付雅之 店長
「入ってくるのは、入ってきてますけど、それがいつまで続くのかはちょっと不透明ですね」

1日現在で入荷はあるものの、今後も続けて、在庫を補充することができるのか不安だといいます。

卸業者に問い合わせてみるとー

卸業者「完全に流通がストップ」

溝口酒店 木付雅之 店長
「サイバー攻撃の件、在庫はどれぐらい持ちそうなんですか?わからない?心配なのは例えばリキュール関係とか?」

Q 卸業者はなんと?
溝口酒店 木付雅之 店長
「完全に流通がストップしているみたいなんですよ。樽ビールはまだしばらくは大丈夫だろうと、在庫でなんとか・・でも長引けばもう駄目でしょうね。ここまで切羽詰まった状況っていうのはないですね。ビールがこんな状況になるのは初めてかもしれないですね」

木付さんは、卸業者も1週間程度はもつだろうとみていますが、それも不透明な状況です。

溝口酒店 木付雅之 店長
「取引先の飲食店さんに迷惑がかからなければいいなって思うぐらいですよね。早く回復してくれることを願うばかりですね」

長引けば飲食店への影響も

福岡市内に本社を置く酒類の卸業者に聞くと、「現状は、ストックしている在庫があるため問題ないが長引けば、飲食店などにも卸せなくなる。代わりの商品をおすすめするなどして対応していきたい」と話していました。

また、アサヒグループホールディングスの広報担当によりますと、福岡市博多区竹下にある博多工場も、現在、製造ラインのどの部分に影響が出ているか調査中だとして出荷は停止しているということです。