「フルロナ」という言葉をご存じでしょうか?コロナウイルス感染症とインフルエンザに同時感染している状態を指す造語です。厚生労働省は28日、新型コロナとインフルエンザを同時に調べる検査キットの一般向け販売の解禁を決定し、医療現場のひっ迫を防ぐ対策として、福岡市のクリニックの医師も期待を寄せています。

◆同時検査キットを使用

やまもとホームクリニック山本希治院長「新型コロナ陽性者が先週から多い。先週から第8波の雰囲気」

発熱外来がある福岡市西区のクリニックです。28日も朝から、検査を待つ患者の車で駐車場が混み合いました。


RKB正福里奈「こちらのクリニックでは、発熱した患者に新型コロナとインフルエンザ同時に検査するキットを使用しています」

*検査の説明「新型コロナの検査をしますね。陽性か陰性か判断させてもらいます。インフルエンザも同時に検査できますので」

◆15分で結果判明

綿棒で鼻の奥の粘膜をぬぐい、それを浸した試薬を検査キットにたらすと、15分で結果がわかります。


*検査キットの説明「COVIDに線が入ると新型コロナ陽性、TA・TBに線が入ったらインフルエンザAかBどちらか」

28日の午前中だけでも、発熱の症状で検査を受けた人は19人。そのうち15人が新型コロナ陽性で、インフルエンザはゼロでした。


やまもとホームクリニック 山本希治院長「第8波に入っていると思われる状況でインフルエンザの人がほとんどいない、数名程度。ただ、発熱症状で来られる人のかなりの数が新型コロナの陽性判定」

◆「インフルエンザ」日本でも流行懸念

福岡県内198か所の医療機関から報告されるインフルエンザの発生数は、2020年の春以降、ほぼゼロの状態が続きましたが、ここ最近はまだ少数ながら、継続して報告があがっています。
日本と季節が逆のオーストラリアで今年6月、過去5年で最大規模の流行が起きたこともあり、この冬は日本でも流行が懸念されています。


福岡県医師会 稲光毅常任理事「これまでの発生状況を考えますと、福岡県でも今シーズンは昨年、一昨年とは異なり、インフルエンザの流行が起こる可能性があり、備えをしておくことが望まれると考えています」